Solo
スケールの基本
調性の要因と和音の基本
モーダルなスケール
ペンタトニックでどこまで弾ける?
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ソロパートをこなす1

〜スケールの基本〜

はじめに
 ソロパート…私がギターを始めたときは憧れでした。
 あらかじめ決められたコード進行の中で、即興的(作為的なのもあり)に主として短音でメロディーを奏でるパートですから、ギタリストの個性を表現する絶好の場となります。
 しかし、どのような組み合わせの音を並べればメロディーとして成立するのかという点では、やはり調性の考慮、かつ独自のスタイルを考慮した組み合わせでなければリスナーに訴えることは難しいですよね。
 ここでは、基本的な音の原則と各コード・進行によるスケールの使い分けについて説明します。

じっと鍵盤を見る
 怪しい人みたいですが…キーボードがあると調性を理解するのが比較的簡単です。
 キーボードは、オクターブ間(例えばドの音と一つ上のドの音)を平均律で割り振る西洋楽器の代表格です。ですから、見てるだけで調性を理解しやすいのです。
 調性というのは、学校で習ったハ長調(Cメジャー)とかイ短調(Am)のことです。「ド(※)」と「ハ」と「C」は同じ音程なのに様々な呼び方をしていますので、下に対応表を書いておきます。
 ※イタリア表記の場合は階名でもあるため、ここではハ長調のドを単にドと表記する。

イタリア ファ
英語圏 C D E F G A B C
日本
1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th

 このCから次のCまでの音階がCメジャー(ハ長調)です。また、Aから組み合わせた表が下ですが、これをAm(イ短調)と呼びます。

イタリア ファ
英語圏 A B C D E F G A
日本
1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th

 結局、ハ長調とイ短調は始まる音(1st:ルート)の位置が異なるだけで、同じ物であると言えます。この二つを(基音Cの)メジャースケール、(基音Aの)マイナースケールと呼び、スケールの基本になります。
 例えば基音Dのメジャースケールは、ギターの場合ならハイポジション側に2フレット平行移動すれば良いですが、鍵盤楽器の場合は、3rdが黒鍵(F#)になるなど、覚えるのが面倒になります。スケールを把握するには、キーボードとギターの両方の心得があると楽です。
 2つのスケールは、一方の配置を覚えていれば充分ですから、メジャースケールの第6音から始めたものがマイナースケールになると覚えておけば良いでしょう。

 さらにキーボードの黒鍵の位置を挿入したのが下記の表です。

key C D E F G A B C
Cメジャー 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th
Am 3rd 4th 5th 6th 7th 1st 2nd 3rd

 黒鍵の無い部分は次の白鍵までの間が半音(短2度)ですから、まとめると
 メジャー:3rdと4th、7thと8th(oct1st)の間が半音
 マイナー:2ndと3rd、5thと6thの間が半音
 になりますね。

平行調
 日本語で書くと面倒くさそうな名称ですが、気にするのはやめましょう。簡単に書くと「CメジャーとAmの関係」を 法則化したものです。
 あるメジャーキーの6thから始まるマイナーキーはスケールが同じになるので、極めて密接な関係になっていることを表します。まぁ、転調しやすいとかetcです。
 最初のうちは、わけが分からなくなりがちなので、表にしておきます。

メジャーキー C C# D D# E F F# G G# A A# B C
マイナーキー Am A#m Bm Cm C#m Dm D#m Em Fm F#m Gm G#m Am

 たとえば、C#メジャースケールを使って弾けるマイナーキーは何か?とギターで探す場合、3フレット分低い音、つまりA#をルートに持つA#mであるわけです。
 また、マイナーキーからメジャーキーを探すなら3フレット分高い音をルートに持つキーになります。

パーフェクトインターバル
 例えば、C(1st)とF(4th)のインターバルの事を4度と学校で習います。また、C(1st)とG(5th)の間隔は5度です。CとFの間隔は2.5音分、CとGの間は3.5音分です。
 では、DとGの4度間は何音分?EとBの5度間は?

 答えは簡単です。
 調や位置に関係なく4度のインターバルは2.5音、5度は3.5音なのです。
 これらをパーフェクトインターバル(完全音程)と呼びます。他の音程(2,3,6,7度)には、そのときの位置関係によって長短があります。

 おっと、VIIの5度は完全5度になりませんね。半音低くなるので減5度(3音)です。
 これは例外的な扱いになりますが、そのおかげで、派生的なコードワークが存在するわけです。

さて、大体の使い方
 例えば、キーがC(メジャー)の場合ですが、Cメジャースケールに存在する音が使えるわけですが、このスケール上の全ての音が同じ役割として使えるわけでは無いのです。
 また、スケール上に無い音(例えばC#)が全く使えないわけでもありません。
 簡単に解説します。

C、D、E、G、Aの音(1st,2nd,3rd,5th,6th)
 ルートであるCは、どのような場面でも違和感無く響きます。また、平行調のルートであるAも同様です。

F、Bの音(4th,7th)
 調性を感じさせる要因となっている音ですが、それゆえロングトーンで鳴らすのは苦しいですね。
 7thはルートのキーの導音ですからルートへの解決を予感させますが、4thはその調におけるサブドミナント(5thのドミナントへの布石)で調性的にかなり不安定なため、厳しいです。
 「ヨナ(四七)抜き音階」というのは、メジャースケールからこの4th、7thを省いたものです。5つの音で構成されることからメジャーペンタトニックスケールと呼ばれます。
 4th,7thを使う場合は、ペンタトニックスケール内の音同士を繋ぐ経過音として利用するのが常套手段です。

その他の音
 4th,7thと同様に経過音として使用します。
 特にBフラット(短7度)についてはC7の構成音ですから、ブルースフィールを印象づけるのに有効ですね。
 ダイアトニックスケールでいうところのC、D、E、F、G、A、Bフラットで構成するスケールはミクソリディアンスケールです。
 さらにモーダルな話をすると、先ほどから説明しているメジャースケールはアイオニアンスケール、マイナースケールはエオリアンスケールです。
 また、メジャースケールの4thを半音上げる(増4度)とリディアンスケールになります。これはC△7のテンションノートとなる9th、13thの他にナチュラル11thが含まれる事となるため、コードを構成する音が網羅された形になります。(アヴェイラブルノートスケールと言う)

 様々なスケールについては別章で解説します。

弾いてみる
 キーがCの時のメジャーペンタトニックスケール(C,D,E,G,A)で弾いてみましょう。
 伴奏が欲しいですね。誰かにバッキングをお願いするか、カセットに録音して聞きながらソロをとります。
 コード進行はI→VI→IV→V(C→Am→F→G:いちろくよんごぉ)で充分です。7thトーンを加えるなら、C△7→Am7→F△7→G7のコード進行で良いです。

 伴奏を用意しましたので合わせて弾いてみてください。前半がサンプルノート、後半がオケのみです。
renshu.midrenshu.mid

 どうでしょうか?綺麗にハマルでしょ?
 とにかくペンタトニックで練習することです。たった5音のスケールですが、チョーキング、ハンマリングオン、プリングオフを組み合わせるだけで、ソロとして十分に成立します。
 ロングトーンにはビブラートを入れることを忘れないように。

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